1月14日(土)16時より、大本山増上寺慈雲閣において、東京浄青結成50周年記念研修会vol.2が開催されました。この研修会は、東京浄青結成50周年を迎えるにあたり、青年会の存在意義を改めて確認し、これからの会のあり方を考えるきっかけとなるようにと企画された全4回シリーズの第2弾となります。当日は、青年会員とOB・OGなどあわせて36名が参加いたしました。

今回は、京都文教学園・学園長である平岡聡先生をお招きし、『若き日のブッダと法然 −絶望から希望を紡ぐために−』という講題で、ご講義いただきました。専門の初期仏教のご研究のみならず、日本仏教各宗派の祖師についても多くの著作を著されている先生の視点から、貴重なご講義を賜りました。

研修会前半では、若き日の釈尊と法然上人が、身内の死や世の中の不条理を通して「絶望」する姿と、その後、長期にわたる修行期間を経て見出した「希望」が、当時いかに常識を打ち破るものであったかについて、お話しいただきました。

特に、釈尊・6年間、法然上人・25年間という長期間の修行を、心理学で用いられる概念、「創造的退行」と位置付け、飛躍前のバネが縮むような期間であるとの解説が心に残りました。難しい問題を抱えていられる力(Negative Capability)、すなわち悩む時はしっかり悩むことの大切さと、その過程を経て、釈尊や法然上人が中道やお念仏という答えに到達したように、最適解を導き出せる力が、混迷の時代に必要とされていることをお示しいただきました。

研修会後半では、釈尊や法然上人が絶望から希望を紡ぐために、どのような実践をされたかを踏まえ、我々現代の青年僧が持つべき心構えや行動についてお話しいただきました。目的を成就するまであきらめない決意が宗教家には必須であること、また、釈尊が成道前に禅定や苦行を実践し、若き日の法然上人が絶望の中においても、実践可能なことを端から全て行っていったように、迷った時こそ具体的な行動に移すことが重要であるとの学びを得ました。現代に僧侶として生きていく我々にとって、多くの刺激と気づきを得られた研修会となりました。